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Albi

数日前から少し遠出をしたくなり、トゥールーズ近郊のアルビという街に小旅行に出かけた。トゥールーズから国鉄に乗って約1時間、Albi Villeという駅で降りた。トゥールーズは地方だけど、一応フランスで4番目に人口の多い街で、フランスの中では都会のほうに入るが、そのトゥールーズから1時間も電車に乗ると本当に田舎に辿りつく。パリ以外は全て田舎だという言葉を聞いたことがあるが、ほんとうにその通りかもしれない。

アルビという街はカトリック教会から異端とされていたカタリ派(アルビジョワ派)を受け入れ、その後十字軍によってカタリ派が全滅させられたという歴史を持つ街だ。キリスト教のことはよくわからないけど、全滅したというからには壮絶な戦いがあったのだと思う。カトリック教会はカタリ派を追い出した権力誇示のために、アルビの街に大きなカテドラル(大聖堂)を建てたと言われている。実際にカテドラルを見てきたわけだが、とにかく巨大だった。そして内部も派手だった。あまり好きなタイプの建物ではなかったので写真はなし。

カテドラルと並んで有名なのはトゥールーズ・ロートレック美術館だ。19世紀末のパリのモンマルトルで活躍していたロートレック(ムーランルージュの踊り子などの絵が有名)はこのアルビの出身なのだ。しかもこの地方で有名な貴族の出身だ。昔この地方にはトゥールーズ伯爵家という一族がいて、俺たちが住んでいる街もその一族の名前が街の名前になっている。トゥールーズ・ロートレック美術館にはロートレックの作品が時代を追って展示されていて、なかなか見ごたえのあるコレクションだった。ガイドによると世界最大のロートレックコレクションらしい。

アルビの街はカテドラルとロートレック美術館以外これといった観光スポットはない。でもフランスの田舎の風景は本当に素晴らしいので、街を流れる川のほとりを散歩するだけでもとても楽しかった。もう少し暖かくなってから歩くともっと楽しいだろうなあ・・・。
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川をはさんで街の観光スポットの対岸にあるレストランで食事をした。どこに入ってよいのか情報がまったくなかったので、アパートの窓辺から顔を出していたマダムにお勧めレストランを聞いて入った店だ。日本人が来るのが珍しいようで、ドアを開けて中に入るとちょっとビックリした様子で席に通された。メインとデザート、そしてAOCワインをグラスでいただいた。いつも肉料理を注文しない雅子が肉料理を頼み、いつも肉料理を注文する俺が魚料理を頼んだ。雅子に肉を頼んだ理由を聞くと、「こういう内陸で海が遠い街でおいしい魚が食べられるわけがない!」とのこと。実際の料理はというと、俺はサーモンのソテー、雅子のは牛肉の煮込みとスパイスで風味がつけられた野菜のソテーで、雅子の言うとおり断然肉料理のほうが美味しかった。普段は好んで牛肉を食べない雅子だが、「最高においしかった!」そうだ。食べている途中も何度も何度も「おいしい!」と連発。俺のサーモンも美味しかったけど、悔しい思いをした。めったにしない贅沢な食事なのに・・・。でもマダムに美味しい店を聞いたのは俺の手柄だぞ!
by redballoon13 | 2005-02-25 05:10 | 仏蘭西にて