1600kmの旅 その5

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ここはオランジュという町の古代劇場だ。ローマが南フランスの町を植民地にしていた大昔に建てられた遺跡の一つで世界遺産にも登録されている。実際にローマに言ったことはないのだけど、南フランスにはローマ遺跡がいくつか残っているのでわりと沢山見ることができる。2年前の旅行ではアルルにある円形闘技場や劇場、公衆浴場などを見たが、今まで見てきたローマ遺跡のなかで一番良かったのはオランジュの劇場だ。まずとにかく大きくて圧倒される。そして保存状態がとてもいい。アルルの闘技場もそうだったが、今だに劇場として機能しているというのが凄い。
オランジュでは毎年夏に音楽祭がこの劇場で行われる。俺たちが見学した日も夜のコンサートのための音響のチェックなどが行われていた。

ローマ政府は植民地を作った際に、ローマにあるものと同じような施設を各地に建設したそうだ。だからこの劇場も他に作られた劇場と同じ設計図で作られている。舞台の中央の高いところにカエサル(シーザー?セザール?)の像が置かれていた。劇場を訪れた市民に指導者の権力を誇示するために置かれたそうだ。またその像が上手くできている。頭部だけを交換できるようになっていて、指導者が変わるごとに頭だけ付け変えていた。ローマ人は合理的だ。

俺も雅子も演劇やダンスなどの舞台芸術にとても興味があるので、ローマ人の演劇の手法などの説明もとてもおもしろかった。まず大衆の目を政治からそらすために演劇を利用していたというのもおもしろい。そして役者は身分の低いものがやっていたこと、しかも10歳そこそこで死んでしまった名役者がいたことなどの説明も面白かった。役者が身につけていた仮面もおもしろい。当時の芝居の再現という映像を見たが、あきらかに幼稚でつまらなそうだった。そしてローマ人はギリシャ悲劇を嫌っていたそうだ。いかにもギリシャ悲劇が似合いそうな建物の作りなのだが。設計には音響効果も計算されていて残響時間も長い。だから客席最後部でもちゃんと役者の声が聞こえる。

ローマの植民地支配が終わった後、この劇場は破壊されたり、劇場以外の用途で使われたり、と少しずつ姿は変えてきたがずーっとこのオランジュの町にあり続けた。このような良い保存状態で残っているローマ古代劇場はオランジュの他にあと2箇所しかないそうだ。トルコとシリアにあるそうなので、機会があれば見てみたい。



b0032039_4204267.jpgb0032039_4202032.jpg俺の意向で訪れた、メネルブの栓抜き博物館の展示品。当たり前だが栓抜きしか展示されていない。はっきり言ってしょぼい。だがワインのテイスティングもできたので、美味しかったワインを1本購入した。
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by redballoon13 | 2005-08-18 04:12 | 仏蘭西にて