リストの名のもとに

最初に言っておきます。
すごく面白い事だったので書こうと思ったのだが、文才がないので、どこまで伝わるか分からないが頑張って書いてみようと思います。

昨日は雅子が休みだったので、滞在許可証の申請に行ってきた。フランスでは、事務手続きが煩雑で、さまざまな書類の提出を求められ、時間がかかることが多い。その代表といえるものが滞在許可証の申請だ。

覚悟をして行ってはみたものの、15人くらいが並んでいるだけで思いのほか少ないと思った。が、しかし、職員の処理能力が遅いのか、申請に来ている人が事前に書類を用意していないのか、それともその両方なのか分からないが、待っても待っても列は進まず1時間が経過。

あげくの果てには普段は閉まることはないはずなのに、この日に限って13時〜14時の間は閉まりますと係員が言うではありませんか!
それは、まあいい。しかし、今までに並んでいた人にせめて番号を配り、閉まっている1時間の間、自由に過ごせるような配慮があってしかるべきことなのに、「並んでいるのが嫌なら、明日また来い」と言うではありませんか!

列の先頭の人なんて、すでに3時間も並んでいるというのに・・・。
本当にあきれてものが言えないというのは、このことだ。

しかし、並んでいた中の1人が、「リストを作って、今並んでいる人の名前を順番に書いておこう!」と言うではありませんか!

これで、閉まっている間に待つ必要がなくなり、雅子と俺は昼飯を食べにいくことが出来た。食事を終え、リストどおりの順番に並ぼうと思って戻ってみると事件は発生していた。

リストの存在を知らない人と、リストに名前を連ねている人が言い争いをしていたのだ。リストを知らない人は、閉まっていた13時〜14時の間に来て並んでいたらしく
、あとから来たリストの人達のことを認めないと言い始めたのだ。

たしかに、その人の言い分も分からないわけではないが、リストに名前を連ねている人達の結束力はとても固く、午前中から待っていた事と、13時か〜14時の間に閉まる際に、午前中から並んでいた人達がリストというものを作り、閉まっている間、解散していたことを根気よく説明した。

その甲斐もあって、ずっと納得がいかず「リストなんて知らねえよ!」と言っていた最後の1人もとりあえず納得し、どういうわけか、その人もリストの最後に名を連ねることになった。

しかし、納得したのは良かったが、彼がリストに名を連ねるのはおかしい。そのリストはあくまでも13時の時点に作成したものであって、現在においてはそのリストの最後の人の後ろには、リストに名前がない人達がすでに並んでおり、本当なら彼はその最後尾に並ばなくてはならないはずだ。

しかし、彼はリストに名を連ねた。

それから、彼はさっきまで何の効力もないと言っていたリストを握りしめ、番号と名前のチェックを始め、いつのまにかリストを巡視する側になり、リストの管理者になった。

彼の目的は分かっている。

列の最後尾には並ばずに、リストに載っている名前の最後に来た時に列に入るつもりだ。

雅子も俺も、その一部始終を目の当りにして笑ってしまった。本当に、コントのようだった。

彼は案の定、リスト道りに列に割り込み申請をしていたが、書類に不備があったようで申請が出来ず帰っていった。最後にきちんとオチをつけるなんて最高だった。

また、別の意味で面白かったのは、リストに名前を連ねた人達の、国籍・人種・宗教・年齢・性別・職業を超えた連帯感。
テレビシリーズのLOSTの遭難した人達が団結し助け合うような感覚を、雅子も俺も体験することが出来た。余談ではあるが、雅子と俺でLOSTのキャストの話になり、誰がジャックで誰がデズモンドなんだということになり、アジアチックな人が雅子と俺だけだったので、韓国人夫婦役のジンとサンは自分たちということになった。

とにかく、非常に興味深い出来事だった。

結局、申請が終わるまで5時間近くかかったが、無事、仮の滞在許可証をもらう事ができた。因に1度でうまくいかない人も多く、何の問題もなく済んだのは雅子のおかげでもある。あとは、11月に健康診断を受け何も問題がなければ正式な滞在許可証が交付される。

丸一日を費やしてしまったが、俺だけでなくみんなそうなのだから仕方ない。

しかし、もう少しどうにかならないものだろうか?
フランス
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by redballoon13 | 2008-10-02 23:32 | 仏蘭西にて